肩こり・首こり・腕の疲れに効くツボ6選|六本松の鍼灸師が解説
デスクワークやスマートフォンの操作が続くと、首から肩、そして腕にかけて張りが出てきます。当院(福岡市中央区六本松)でも、肩こりのご相談は最も多いお悩みのひとつです。
この記事では、肩こり・首こり・腕の疲れに対してよく使われる6つのツボを取り上げます。いずれもひじから手先にかけての範囲にあり、座ったまま片手で押せるため、仕事の合間にも取り入れやすいものばかりです。
院長は鍼灸師と理学療法士の両方の資格を持っています。そのため、東洋医学の経穴としての考え方に加えて、そのツボがどの筋肉・腱の上にあるのかという解剖学的な視点も添えてご紹介します。
ツボを押す前に|共通の基本
どのツボにも共通する、セルフケアの基本をまとめておきます。
- 強さ:「痛気持ちいい」と感じるところまで。強く押し込むほど効くわけではありません
- 時間と回数:5秒押してゆるめる、を左右2〜3回ずつ
- 呼吸:止めないこと。ゆっくり息を吐きながら押すと、力みが抜けやすくなります
- タイミング:入浴後や就寝前など、体が温まっている時間帯がおすすめです
次のようなときは、無理に行わないでください。
- その部位に強い痛み・腫れ・熱感があるとき
- 皮膚に傷や炎症があるとき
- 発熱しているときや、体調が優れないとき
- 飲酒直後
1. 合谷(ごうこく)
位置
手の甲で、親指と人差し指の骨が交わる部分の、少し人差し指寄り。指でたどっていくと、骨と骨の間にくぼみが見つかります。押すと「ズーン」と響く感覚がある場所が目印です。
使われる理由
手陽明大腸経という経絡の原穴にあたり、東洋医学では古くから「顔や頭の不調に広く用いるツボ」として扱われてきました。「万能のツボ」と紹介されることが多いのもこのためです。
解剖学的には、親指と人差し指を動かす第一背側骨間筋の上にあります。マウス操作やスマートフォンの片手持ちで親指を酷使すると、この筋肉は硬くなりやすい部位です。
こんな方に
- 頭が重い、締めつけられるような頭痛がある
- 肩がこって、目の奥まで疲れている
- 緊張しやすく、気持ちが張りつめている
押し方
親指でゆっくり押し込み、5秒ほどキープ。左右2〜3回ずつ、深呼吸しながら痛気持ちいい強さで行います。
注意
妊娠中の方は、合谷への強い刺激は控えてください。古くから妊娠中は避けるべきツボのひとつとされています。
2. 外関(がいかん)
位置
手の甲側、手首のシワの中央から指3本分ひじ側へ上がったところ。前腕の2本の骨(橈骨と尺骨)のちょうど間にあります。
使われる理由
手少陽三焦経の絡穴にあたります。東洋医学では、体の側面を通るこの経絡が、首肩の側面のこわばりや、目・耳まわりの不調と関わりが深いと考えられてきました。
肩こりに加えて眼精疲労や自律神経の乱れが重なっている方に選ばれることの多いツボです。
こんな方に
- 肩こりと目の疲れが同時に出る
- 首の横側が張っている
- ストレスがたまると肩に来やすい
押し方
痛気持ちいい強さで5秒ほど、左右2〜3回。呼吸をゆっくり保ちながら、リラックスして行ってください。
注意
強く押しすぎないように。痛みが強い日は刺激を控えめにしてください。
3. 中渚(ちゅうしょ)
位置
手の甲側で、薬指と小指の骨の間を手首の方向へなぞっていき、指が止まるくぼみ。指の付け根の関節(こぶし)より少し手首寄りにあります。
使われる理由
外関と同じ手少陽三焦経の経穴です。この経絡は手の甲から腕の外側を上り、肩、首の横、耳の後ろを通って目尻のあたりまで続いています。東洋医学では、その通り道にあたる首肩のこりや、頭の重さ、耳の詰まった感じや耳鳴りのケアに用いられてきました。
解剖学的には、薬指と小指の骨(第4・第5中手骨)の間を埋める骨間筋の上にあります。外関が手首から少し上の前腕にあるのに対して、中渚は同じ流れの手の甲側です。首の横から耳のあたりにかけて張りを感じる方は、外関とあわせて押してみてください。
こんな方に
- 首の横から肩にかけてこっている
- 頭が重い、すっきりしない
- 耳が詰まったような感じや、耳鳴りが気になる
- 画面を見続けて目が疲れている
押し方
反対の手の親指でゆっくり押し、痛気持ちいい強さで5秒程度。左右2〜3回、深呼吸しながら行います。
注意
骨の間の狭いところにあるため、強く押しすぎないように。痛みや違和感が強い場合は刺激を控えめにしてください。
急に片方の耳が聞こえにくくなった、耳鳴りが突然始まった、めまいをともなうといった場合は、セルフケアで様子を見ずに、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。突発性難聴などは、治療を始めるまでの日数が大切だとされています。
4. 手三里(てさんり)
位置
ひじを曲げたときにできるシワから、手首側へ指3本分ほど下がった位置。前腕の親指側、押すと響くところです。
使われる理由
手陽明大腸経のツボで、肘から手首にかけて走る前腕の伸筋群の上に位置します。この筋肉群は、キーボードを打つ・マウスを握る・スマートフォンを支えるといった動作で常に使われ続けるため、デスクワーク中心の方ほど硬くなりやすい部位です。
前腕の緊張は肩の位置にも影響するため、肩そのものを揉んでも戻ってしまう方に、腕側からのアプローチとして使われます。
こんな方に
- 肩を揉んでもすぐこりが戻る
- 腕やひじの外側がだるい
- パソコン作業の時間が長い
押し方
反対の手の親指で押し、痛気持ちいい強さで5秒程度。左右2〜3回、呼吸に合わせてゆっくり行います。
注意
強い痛みやしびれがある場合は自己判断で続けず、専門家にご相談ください。
5. 陽渓(ようけい)
位置
手首の親指側。親指を立てたときに、手首の付け根に現れる三角形のくぼみ(解剖学的嗅ぎタバコ入れと呼ばれる部分)が目印です。
使われる理由
手陽明大腸経の経穴で、親指を伸ばす2本の腱の間に位置します。この腱まわりは、繰り返しの手作業や育児中の抱っこなどで負担が集中しやすく、腱鞘炎が起こりやすい部位でもあります。
こんな方に
- 手首の親指側が痛む、動かすと引っかかる
- 手のむくみやだるさが気になる
- 手作業や抱っこの時間が長い
押し方
痛気持ちいい強さで5秒程度、左右2〜3回。呼吸を止めずにゆっくり行ってください。
注意
すでに腫れや強い痛みがある場合、押すことで悪化することがあります。まずは安静にし、症状が続くようであればご相談ください。
6. 曲池(きょくち)
位置
ひじを曲げたときにできるシワの、外側の端。手のひらを上に向けてひじを軽く曲げると、シワの終わりに骨とのすきまが現れます。押すと響くところが目印です。
使われる理由
手陽明大腸経の合穴で、東洋医学では体にこもった熱をさますツボとして扱われてきました。ほてりや皮膚の不調に用いられてきたのは、この「熱をさます」という位置づけによるものです。
解剖学的には、ひじの外側の出っ張り(上腕骨外側上顆)のすぐそばにあり、前腕の伸筋群が始まる場所にあたります。手三里が同じ筋肉群の途中にあるのに対して、曲池はその根元です。キーボードやマウスの操作で前腕を使い続けると、まずこの付け根に張りが出てきます。いわゆるテニス肘で痛みが出る部位とも重なります。
前腕の緊張は肩の位置にも影響するため、手三里とあわせて、腕の根元からゆるめる目的で使われます。
こんな方に
- 肩こりとともに、ひじの外側や腕の張りがある
- パソコン作業やラケット競技で前腕を使うことが多い
- ほてりやすい、肌の調子が気になる
押し方
反対の手の親指でしっかり押し、痛気持ちいい強さで5秒程度。左右2〜3回、呼吸に合わせてゆっくり行います。
注意
ひじの外側にすでに強い痛みや炎症がある場合は、押すことで悪化することがあります。刺激を控えめにし、痛みが続くようであればご相談ください。
6つのツボの使い分け
| こんなとき | おすすめ |
|---|---|
| 頭痛をともなう肩こり | 合谷 |
| 目の疲れ・首の横側の張り | 外関 |
| 首肩のこりと頭の重さ、耳の詰まった感じ | 中渚 |
| デスクワークによる腕の張りからくる肩こり | 手三里 |
| 手首・親指の痛み、手のだるさ | 陽渓 |
| ひじの外側の張り、腕の根元からくるこり | 曲池 |
すべてを一度に押す必要はありません。今日いちばん気になるところに近いツボを、1〜2か所選ぶだけで十分です。
セルフケアで戻ってしまう肩こりには
セルフケアは、その場の張りをゆるめるのにとても有効です。ただし、次のような場合はセルフケアだけでは変化を感じにくいことがあります。
- 何年も肩こりが続いている
- ほぐしても数日で元に戻る
- 頭痛やめまい、手のしびれをともなう
- 姿勢そのものが崩れている自覚がある
当院では、鍼・整体・カッピングを組み合わせ、こっている場所だけでなく、その原因になっている姿勢や体の使い方まで含めて整えていきます。理学療法士としての知識を活かし、なぜその部位に負担が集中しているのかを確認したうえで施術を組み立てます。
肩こりがなぜ起こるのか、自分がどのタイプかを知りたい方は、症状コラム「その肩こり、原因は肩じゃないかも」もあわせてご覧ください。
肩こりの施術内容や料金については、肩こりの症状ページで詳しくご紹介しています。
福岡市中央区六本松、地下鉄七隈線六本松駅から徒歩8分。完全予約制です。お気軽にご相談ください。
本記事は一般的なセルフケアの情報をご紹介するものであり、診断や治療にかわるものではありません。強い痛みやしびれ、原因のわからない症状が続く場合は、医療機関の受診をご検討ください。
関連記事(健康情報)
腰痛・膝の痛み・脚の張りに効くツボ5選|六本松の鍼灸師が解説
福岡市中央区六本松の鍼灸院が、腰痛・膝の痛み・ふくらはぎの張りに使われる代表的なツボ「陽陵泉」「崑崙」「膝眼」「梁丘」「申脈」の5つを解説します。位置の探し方から押し方、東洋医学と解剖学の両面から見た使われる理由まで。立ち仕事・歩き疲れ・スポーツ後のケアにお役立てください。
健康情報のどの違和感・咳・声のかすれに使われるツボ「天突」|六本松の鍼灸師が解説
福岡市中央区六本松の鍼灸院が、のどの違和感・咳・声のかすれといった呼吸器系の不調のセルフケアに使われる代表的なツボ「天突(てんとつ)」を、位置の探し方から押し方、注意点まで解説します。インフルエンザが気になる時期の体調管理の考え方もあわせてご紹介します。
健康情報冷え・むくみに効くツボ7選|六本松の鍼灸師が解説
福岡市中央区六本松の鍼灸院が、冷え性・足のむくみ・生理痛に使われる代表的なツボ「三陰交」「陰陵泉」「太谿」「復溜」「太白」「血海」「地機」の7つを解説します。位置の探し方から押し方、東洋医学から見た使われる理由まで。足の内側に集まっているため、入浴後にまとめてケアできます。