のどの違和感・咳・声のかすれに使われるツボ「天突」|六本松の鍼灸師が解説
なんとなくのどがスッキリしない、空気が乾いてくると咳が出やすい、声を使う仕事で夕方にはかすれてくる。のどまわりの不調は、季節の変わり目や空気が乾燥する時期に増えてきます。
この記事では、のどや呼吸器まわりのセルフケアに使われる代表的なツボ「天突(てんとつ)」をご紹介します。
天突は首の前側にあり、ほかのツボとは押し方の考え方が少し違います。位置と押し方、注意点をあわせて確認してから取り入れてください。
ツボを押す前に|共通の基本
- 強さ:天突は「押す」というより、指の腹で「やさしく触れる」くらいが目安です
- 時間と回数:3〜5秒触れてゆるめる、を2〜3回
- 呼吸:止めないこと。ゆっくり呼吸しながら行います
- 中止の目安:痛みや息苦しさ、せき込みが出たらすぐにやめてください
次のようなときは行わないでください。
- 高い熱がある、息苦しさがある
- のどの強い痛みや腫れがある
- 首の前側にしこりや腫れがある
これらは自己判断せず、医療機関の受診をご検討ください。
天突(てんとつ)
位置
首の前側、左右の鎖骨のあいだ。胸骨のいちばん上のふちにある、くぼみの中です。のど仏から指をまっすぐ下へすべらせていくと、骨に当たる手前で自然に指が落ち込むところがあります。
使われる理由
体の前面の中心を縦に走る任脈(にんみゃく)のツボで、東洋医学では、のどや胸のつかえをとり、呼吸を整えるツボとして扱われてきました。咳やのどの違和感、声のかすれに対して古くから用いられてきたのは、のどのすぐそばという位置によるものです。
解剖学的には、胸骨の上端にあるくぼみ(胸骨上窩)にあたり、そのすぐ奥を気管が通っています。のどに近い位置で呼吸器まわりに働きかけられる一方、強く押し込むと気管を圧迫してしまう場所でもあります。天突だけ押し方が「やさしく触れる」になっているのはこのためです。
こんな方に
- 最近のどがスッキリしない、違和感がある
- 咳が出やすい
- 声を使うことが多く、かすれやすい
- 空気の乾燥でのどが気になる
- 呼吸が浅くなっている気がする
押し方
人差し指か中指の腹をくぼみに当て、やさしく触れるように3〜5秒。ゆっくり呼吸しながら2〜3回くり返します。奥へ押し込む必要はありません。
注意
天突は首の前側にあるため、強く押し込まないように注意してください。爪を立てず、痛みや苦しさ、せき込みが出たらすぐに中止しましょう。
また、天突を刺激することでインフルエンザを予防・治療できるわけではありません。あくまで日々ののどのセルフケアとしてお使いください。
インフルエンザが気になる時期の体調管理
インフルエンザでは、発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・倦怠感などが急に現れることがあり、のどの痛みや咳などの症状もみられます。
天突は、のどや呼吸器まわりのセルフケアとして取り入れるのはおすすめですが、感染予防には次のような基本的な対策が大切です。
- 手洗い:外出先から戻ったとき、食事の前にはこまめに
- 咳エチケット:咳やくしゃみが出るときはマスクを着用し、ティッシュや袖で口と鼻をおおう
- 換気:暖房を使う時期も、定期的に空気を入れかえる
急な発熱や全身のだるさなど、インフルエンザが疑われる症状がある場合は、ツボ押しで様子を見ずに医療機関を受診してください。
のどをいたわる3つの習慣
- 乾燥を防ぐ:加湿器を使う、こまめに水分をとるなど、のどを乾かさない工夫を
- 声を休ませる:声を使い続けた日は、意識して話さない時間をつくる
- 呼吸を深くする:デスクワークで前かがみの姿勢が続くと呼吸は浅くなりがちです。ときどき胸を開いて、ゆっくり息を吐きましょう
セルフケアで変わりにくい不調には
次のような場合は、セルフケアだけでは変化を感じにくいことがあります。
- のどの違和感や咳が長く続いている
- 声のかすれがなかなか戻らない
- 季節の変わり目のたびに体調を崩しやすい
なお、長引く咳や声のかすれには、ほかの疾患が隠れていることもあります。2週間以上続く場合や、発熱・血痰・息苦しさをともなう場合は、まず医療機関の受診をご検討ください。
当院では、のどまわりの不調の背景に、姿勢や呼吸の浅さ、自律神経の緊張が関わっているケースも拝見します。のどだけを見るのではなく、首肩や胸まわりの緊張、生活リズムまで含めて整えていきます。
自律神経の乱れからくる不調については、自律神経の乱れの症状ページで詳しくご紹介しています。
福岡市中央区六本松、地下鉄七隈線六本松駅から徒歩8分。完全予約制です。
本記事は一般的なセルフケアの情報をご紹介するものであり、診断や治療にかわるものではありません。発熱、強いのどの痛み、息苦しさなどをともなう場合は、速やかに医療機関を受診してください。
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