その肩こり、原因は肩じゃないかも|姿勢・腕の使い方・呼吸から考える
マッサージを受けるとその日は軽くなるのに、数日するとまた重くなる。当院(福岡市中央区六本松)でも、肩こりのご相談で最も多く伺うのがこのお悩みです。
戻ってしまう肩こりは、こっている場所そのものではなく、別のところに原因があることが少なくありません。肩は「負担が集まってくる場所」であって、「負担をつくっている場所」とは限らないからです。
このコラムでは、肩こりがなぜ起こるのかを、姿勢・腕の使い方・呼吸の3つの視点から整理します。ご自身がどのタイプに近いかを知ることで、セルフケアの選び方も変わってきます。
こんなお悩みはありませんか
- 夕方になると首から肩にかけて重くなる
- マッサージを受けても数日で元に戻ってしまう
- デスクワークやスマートフォンの時間が長い
- 肩こりと一緒に頭痛や目の疲れも出る
- 朝起きた時点で首肩が張っている
ひとつでも当てはまる方は、肩以外のところにも目を向けてみてください。
肩こりはなぜ起こるのか
同じ姿勢が続き、筋肉が縮んだままになる
頭の重さは、体重のおよそ8〜10%。体重50kgの方なら4〜5kgほどになります。この重さを支えているのが、首の後ろから肩にかけての筋肉です。
座ったまま同じ姿勢が続くと、筋肉は縮んだまま休むタイミングを失います。縮んだ筋肉の中では血流が滞りやすく、それが重さやだるさとして感じられます。
肩が前に引っ張られている
猫背の姿勢では、胸の前側の筋肉(大胸筋・小胸筋)が縮み、肩が前へ引き込まれます。すると、首から肩の後ろ側の筋肉は、引き伸ばされたまま頭と腕を支え続けることになります。
この状態で肩だけをほぐしても、前へ引っ張る力はそのまま残るため、また元の張りに戻りやすくなります。
東洋医学の考え方
東洋医学では、こりや痛みは気や血の巡りが滞った状態と考えます。手から腕を通って肩へ向かう経絡(大腸経・三焦経など)があるため、肩こりのケアでは、肩から離れた手や腕のツボがよく使われてきました。腕の緊張が肩に影響するという解剖学の見方と、重なるところがあります。
3つのタイプで見分ける
肩こりは、原因の出どころによっておおまかに3つに分けられます。ひとつのタイプだけでなく、いくつか重なっていることもよくあります。
タイプ1:首が前に出る「姿勢型」
特徴
- 横から見ると、耳が肩より前にある
- スマートフォンを見る時間が長い
- 首の後ろから肩の上にかけて張る
頭が前に出るほど、首の後ろの筋肉は重さを支えるために強く働き続けます。胸の前側の硬さとセットになっていることが多いタイプです。
タイプ2:腕を使いすぎる「前腕型」
特徴
- パソコンのキーボードやマウスの作業が長い
- ひじから手首にかけても張りやだるさがある
- 肩の中でも、腕の付け根に近いところがこる
指や手首を動かす筋肉は、ひじのまわりから始まっています。前腕の緊張は腕全体の重さとなって肩にかかり、肩の位置にも影響します。肩をほぐすだけでは戻りやすい、代表的なタイプです。
タイプ3:力が抜けない「呼吸・緊張型」
特徴
- 気づくと肩に力が入っている、肩がすくんでいる
- 呼吸が浅く、ため息が多い
- 寝つきが悪い、胃の調子が崩れやすいなど、ほかの不調も重なる
呼吸が浅くなると、本来は補助役である首の筋肉(斜角筋や胸鎖乳突筋など)が、呼吸を手伝うために働き続けます。ストレスや睡眠不足で交感神経が優位な状態が続くと、筋肉そのものもゆるみにくくなります。
日常でできること
姿勢型の方
- 画面の高さを目線に近づける。スマートフォンは胸の高さまで持ち上げて見る
- 1時間に一度は立ち上がり、胸を開いて肩甲骨を寄せる
前腕型の方
- 作業の合間に手首をゆっくり反らす・曲げるストレッチを入れる
- キーボードやマウスの位置を体に近づけ、ひじが伸びきらないようにする
呼吸・緊張型の方
- 息を吸うことより「長く吐く」ことを意識する。4秒吸って8秒吐く、を数回
- 肩をいったんすくめてから、ストンと落とす
セルフケアのツボは、タイプに合わせて選ぶのがおすすめです。
| タイプ | おすすめのツボ |
|---|---|
| 姿勢型(首の横・後ろの張り、目の疲れ) | 外関・中渚 |
| 前腕型(腕・ひじの張りからくるこり) | 手三里・曲池 |
| 呼吸・緊張型(頭痛をともなうこり) | 合谷 |
それぞれの位置と押し方は、肩こり・首こり・腕の疲れに効くツボ6選で動画つきでご紹介しています。
こんなときは医療機関へ
肩こりだと思っていても、ほかの病気が隠れていることがあります。次のような場合はセルフケアで様子を見ず、医療機関を受診してください。
- 手や腕にしびれがある、力が入りにくい
- 胸の痛みや息苦しさ、冷や汗をともなう
- 突然の激しい頭痛がある
- 発熱をともなう、または安静にしていても痛みが強くなる
当院での施術
当院の院長は、鍼灸師と理学療法士の両方の資格を持っています。施術の前に、いつから・どんなときに強くなるかを伺い、首や肩の動きや左右差を確認します。そのうえで、姿勢型・前腕型・呼吸・緊張型のどれが強く出ているかを見きわめてから施術を組み立てます。
鍼で深いところの筋肉の緊張をゆるめ、整体で胸や背中の動きを出し、必要に応じてカッピングで血流を促します。整えた状態を保てるよう、その方のタイプに合わせたセルフケアもお伝えしています。
施術の流れや料金は、肩こりの症状ページで詳しくご紹介しています。
福岡市中央区六本松、地下鉄七隈線六本松駅から徒歩8分。完全予約制です。
本記事は一般的な健康情報をご紹介するものであり、診断や治療にかわるものではありません。強い痛みやしびれ、原因のわからない症状が続く場合は、医療機関の受診をご検討ください。